イギリスの生活に昔から欠かせなかったのはパブの存在です。
小さな村にもパブがあってそのコミュニティーの中心となっていました。
最近は毎年いくつものパブが経営難から閉めてしまうそうで、残念な限り。
パブは宿屋として使われることもありました。
大きなところでは「コーチイン」と呼ばれて代馬が常備されていたり、ミニ劇場のように観客を収容できるところもありました。
切手の制度が法制化する1840年以前からイギリスには私立の飛脚制度があって、パブではその取次ぎなんかも行っていました。
ちなみにその時に馬をつないだパブの前の杭を「ポスト」と呼んだわけです。
今私たちが手紙を投函するのも「ポスト」。
面白いでしょう?
実際パブの近くには、必ずといっていいほど郵便ポストがあります。
最近は取り除かれてしまっているケースがほとんどですが、ポストをよく見ると曜日の小さなプレートや(取り除かれたものは)プレートのための枠が目に入ります。
大きさは5cm角くらい。
郵便屋さんがその日の最終集配のときにこのプレートを取り替えます。
なので、投函する人はその手紙が翌日配達(基本的にファーストクラスは翌日配達)されるかどうかがわかるという仕組みです。
イギリスのポストにはロイヤルサイファーという、作られた時代の王様や女王様のイニシャルが刻まれています。
この写真は上に写真を載せたパブ White Swan のすぐ横にあるポスト。
投函口の上の部分にV 王冠マーク、そしてRと書かれています。
なので、ヴィクトリア女王時代のもの。
円柱タイプのものもよく見かけます。
ウインザー城の近くには緑色のもあります。
ウインザー城の中にはヴィクトリアの息子、エドワード7世のポストが。
お母さんが長生きしたので、お爺さんになってから王位につきました。
だから王様だったのは1901-1910だけ。
そのあと王様になったのはジョージ5世。
その時代のポストにはGRと書かれています。
結構よく見ます。
珍しくはない。
逆に見かけることがほとんどないのはその息子エドワード8世のもの。
シンプソン夫人と結婚するために、王位を捨てた王様。
1年しか王様じゃなかったので、英国に約130個しかありません。
実は私はまだ見たことがありません。
ロンドンには10個あるらしいので、そのうち探してみることにします(笑)
さて、英国王のスピーチで有名になったジョージ6世のもの。
彼はエドワード8世の弟で、エリザベス女王のお父さんです。
ジョージ5世のものはGRと書かれているだけ。
6世のはG と R の間にVI(6)が入ります。
そして、最もよく見かけるのがエリザベス2世のもの。
イギリス国内に11万5千の郵便ポストがあるそうですが、その半分以上がエリザベス2世。
さてそれではちょっと面白いポストを紹介しましょう。
これです。
どこがおもしろいの?って思いますよね。
何の変哲もない、ふつうのポスト。
でもよく見ると、ロイヤルサイファーが入っていないんです。
このポストは Anonymous(匿名)ポストボックスとよばれています。
Andrew Handyside という人が、1879 年から 1883年の間に製造したもので、普通なら入っているべき POST OFFICE と VR が入っていません。
間違いに気が付いたときにはすでに手遅れ。
それがそのまま残っているのがイギリスっぽいですね。
「まっ、いいか」って感じ。
日本だったら絶対に撤去されてるだろうな~。
こういったユルイところがイギリスの魅力の一つだと思います。
あちこちにある英国の郵便ポスト。
是非、いろんな種類を探してみてください。
形やスタイル、色や時代など本当にさまざま。
チャールズ3世のポストは新しく設置というよりは古くて壊れたのものを修繕しているそうなのでそのうち少しずつ見かけるようになるかも。
楽しみだなぁ!
次回の更新は6月8日です!





