この酒杯、ローマで作られたものなのに、なぜか大英博物館の中でも辺鄙なアングロサクソンの部屋に置いてあります。
名前は 「Lycurgus Cup」
この部屋の一つ手前(ルーム40)にはハリーポッターに出てくるチェスのモデルになったルイス島のチェスセットが展示してあります。
ハリーポッターのお話の中に、炎のゴブレットって出てきますよね。
火は出てこないけれど「Lycurgus Cup」は光を当てると、浅い緑色の本体が真っ赤に変わる不思議な酒杯なのです。
読むよりもこの写真を見るのが早い。
これ、携帯のカメラなので、肉眼だともっときれいです。
いかがですか?
展示ケースの光が変化するだけでこんなになるんです。
男の人がぶどうの蔓に絡まれて、それをなぎ倒そうと、もがいているような模様です。
この部分はガラス製。
そしてカップの縁や足元は金をかぶせた銀でできています。
どうして色が変わるのかは、ガラスに秘密があるそうです。
ガラス製品を作る際に、微量な金属を加えることで二色性ガラスというものができます。
「Lycurgus Cup」には、ものすごく細かな金と銀の粉が、一定の割合で溶け込んでいるそうです。
ワインを飲むためのカップとして作られたので、テーマにはギリシアのディオニッソス(ローマのバッカス)が選ばれました。
でも蔓に絡まれているのは、ディオニッソスじゃない。
彼のことが嫌いだった、リコルガスという王様。
あるとき、ディオニソスが彼の国に来ているとうわさを聞きます。
ディオニソスはワインの神様で、人々の正気を失わせたり、悪い行いをさせたりするので、リコルガスは悪い神様だと思ったのです。
早速、追い出そうと考えた王様は、ぶどうの蔓を切ってワインを造れなくしてしまいます。
これに怒ったディオニソスは、リコルガスの正気を失わせて、彼の家族を殺すように仕向けたり、その罪として彼の国民らによって、荒れ野へ追放したりしています。
そんな柄が入っているから、出されたワインは断らずに飲み切ってしまわないと、罰が下りそうな恐ろしいカップです(笑)
でも飲みすぎると正気を失うかも…。
お酒は楽しむ程度にほどほどにってことでしょうか?
是非いろいろ考えながらご覧になるといいと思います。
次回の更新は5月25日です!


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